コロナショックで大きく上昇した「VIX指数」とは?

「VIX指数(別名:恐怖指数)」が急上昇

新型コロナウイルスに対する懸念で世界的に株式市場が下落する一方、大きく上昇した指数があります。それが「VIX指数」です。

VIX指数は、米国の大企業500社の株価をもとに算出する「S&P500種指数」の将来の株価を予想して取引されるオプション価格の値動きを指数化し公表しています。VIXはボラティリティ・インデックス(Volatility Index)の略称で、ボラティリティとは「値動きの度合い」を意味します。

VIX指数は一般に、平常時は10から20の範囲に収まることが多いものの、金融危機や戦争、災害などをきっかけに相場の振れ幅が大きくなると急上昇することが多くなります。それゆえ別名は「恐怖指数」とも呼ばれています。実際、VIX指数とS&P500種指数を並べてみると、S&P500種指数が上がると、VIX指数が下がり、S&P500種指数が下がるとVIX指数が上がるといった傾向がみられています(下図)。

S&P500種指数とVIX指数の推移

日次、期間:2008年1月1日~2020年3月20日

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出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

新型コロナウィルス感染拡大でVIX指数は過去最高水準

近年のVIX指数は、2018年末の世界同時株安の局面で一時30を上回りましたが、2019年の平均値は15で推移するなど変動性の少ない動きとなっていました。しかしながら、2020年2月後半以降、新型コロナウィルス感染拡大の懸念を背景に、米国株式が連日のように記録的な下げを記録する中、VIX指数は急上昇し、3月16日にはリーマン・ショックの年以降で初めて80を突破したほか、終値では82.69と終値ベースの最高値を更新しました。VIX指数の日中ベースの最高値はリーマン・ショック時(2008年10月)の89.53でした。

現在、新型コロナウィルス感染拡大の影響で、世界経済の成長率や企業業績の見通し引き下げが避けらないうえ、現時点ではどの程度影響がでるのかも予想しづらい状況にあります。また、3月に入ってから欧州や米国においても感染が拡大しており、局面は大きく変わっています。VIX指数の高まりは、こうした環境における投資家の不安心理の極度の高まりを反映しているとみられます。

感染の拡大傾向が続く中、各国で人の移動に強い制約がかけられるなど、さらなる経済への悪影響が懸念され始めています。このため当面、VIX指数は比較的高い水準で推移し、変動性が高い不安定な相場が続く可能性を認識しておく必要がありそうです。

過去のVIX指数の推移

なお、過去において、VIX指数が急騰した後、どのような推移となっていったのかを示したものが下図です。ここでは「リーマンショック時」と「S&P社による米国債格下げ時」から200日間のVIX指数の推移を示しています。数値のレベル間はありますが、両局面の推移を見ると、100日間程度が経過するまでの間、VIX指数の変動が比較的大きい状況が続き、それ以降はやや落ち着き処を探るような動きがみられていました。

過去のVIX指数の急騰時からその後200日の推移

日次、期間:リーマン・ショック時(2008年10月16日~2009年8月4日、2008年10月16日を0日とする)
S&P社による米国債格下げ時(2011年8月8日~2012年5月23日、2011年8月8日を0日とする)

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出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成